インタビュー

プロセスマネジメントは大規模の会社だけ、もしくは小規模の会社にだけしか当てはまらないものでもない。
業種や営業スタイルによってスライムみたいにぐにゃぐにゃと形を変えて使えるところが良いところだと思います。
東京都江東区にオフィスを構えるのは、株式会社阿部長マーメイド食品様。宮城県気仙沼市において水産事業でトップクラスを誇る株式会社 阿部長商店様の販売会社として2013年1月に設立しました。
この度は、株式会社阿部長商店 経営企画室 業務統括部部長であり、阿部長グルーブ全体のマネジメントに携わるお立場の菅原 圭介様にプロセスマネジメント大学2012年1月仙台校を受講頂きました。その後、株式会社阿部長マーメイド食品 東京営業所 所長 竹川 直子様に2013年1月東京校に受講頂きました。
各々、約6ヵ月間・計6回のプログラムを終えて、受講するにあたっての当時の課題と現在の取り組み状況について、率直な意見をお話頂きました。

1、 株式会社阿部長商店様・株式会社阿部長マーメイド食品様 会社概要

「水産事業」×「観光事業」の融合を推進し、宮城県気仙沼市において水産事業でトップクラスを誇る株式会社 阿部長商店様。創業1961年以来三陸の豊かな海が育んだ地域資源を消費者の皆様に水産事業・観光事業の両者を通してご提供されています。
また、2013年1月に販売会社として設立された株式会社阿部長マーメイド食品様は、今までの卸売業のお客様だけでなく量販店やWebでのお客様とお取り引きすることで、より消費者の声を反映したサービスを提供されています。

2、販売チャンネル拡大による売上UPへの挑戦

―プロセスマネジメント大学を受講前の営業現場の状況と課題を教えてください。

背景)
【菅原様】当時、阿部長商店の9割は卸売業のお客様からでした。しかし、最近は、直接お客様の声も聞きやすく、利益率も高いという理由から、小売業のお客様といったより消費者に近い川下のお客様への営業に力をいれる方針に転換してきました。
その為、営業マンは今までの販売チャネルとは違う、小売業など「川下」のお客様の取引先を増やすべく、新規開拓営業を行う必要がでてきたのです。

課題)
【菅原様】私は営業マネジャーという立場ですが、バックオフィス出身でもあり「営業マンの活動が把握できていない。」「営業から上がってくる見込み数字の根拠がない。」ということに課題を感じてました。
解決のために改革案を出してきましたが、現場でなかなか実践されていかないという問題に直面しておりました。実際、その当時の営業内容でも結果が出ている部分もあったので、変える必要があるのかという抵抗もありました…。

―プロセスマネジメント大学を受講したきっかけを教えてください。


(菅原様 インタビュー時の様子)

【菅原様】もともとバックオフィス側なので、営業の効率化には興味がありました。「事務」の効率化と「営業」の効率化、両面でプロセスマネジメントは使えそうだなと感じました。
そこで、2012年1月、プロセスマネジメント大学仙台校での受講を決めました。仙台校で私が受講し、取り組んだ結果、WBSの作成によって、「事務」の業務の標準化・効率化には成功したのですが、「営業」の改革は不十分だと感じていました。

2013年1月、東京に販売機能会社の阿部長マーメード食品を設立し、営業マンを増員しました。そのタイミングで東京営業所長の竹川をプロセスマネジメント大学受講に対し、社長に推薦しました。
竹川は入社したばかりでしたが、営業現場の人間ですし、入社したてということが逆に新しい仕組みを構築しやすいのではと思い、期待を込めて送り出しました。


(竹川様 インタビュー時の様子)

竹川様のプロセスマネジメント大学への第一印象を教えてください

【竹川様】正直、プロセスマネジメントが何かすら分かっていませんでした。ただ、入社したばかりで、営業のマネジメントもやったことがなかったので、「マネジメントをどんなふうにやっていけばいいか分からない。マネジメント手法を学びたい。」という思いは持っていました。

3、予算達成への道筋づくり

―具体的な取り組みを教えてください。

【竹川様】営業社員の間では「予算は達成しない」ことが当然という意識がまん延していました。
マネジャーに報告する売上見込み数字も、売上予算に合わせただけの根拠のない数字でした。
そこで、まず「営業活動の可視化・数値化」に取り組みました。今までは営業所全体でしか出していなかった目標予算を個人に落とし、営業社員に示すということをまず一歩目に取り組みました。

※受注フォロー(定番化活動・取り扱い種類の増加・量の増加)

次に、予算達成の為の道筋を示す必要があると感じ、営業活動を7つのプロセスに分解し、それぞれのプロセスごとの行動件数を計測しました。
量販店様の棚に定番採用される「定番化」受注が最終ゴールなのですが、そこに急にはいけないので、まずは「スポット受注」という⑥「受注」プロセスがあります。
その受注というプロセスの前には別のプロセスがあって…、と小さなゴールを踏んでいくということを意識させました。


「ゴールからの逆算」表

さらに「ゴールからの逆算」という表を作成し、毎月予算目標を達成するには、今、見込みがいくらあり、いくら足りないのか?という現状認識から始め、目標達成するに為に「現在の仕掛案件」がどこのプロセスに何件、どれぐらいの金額があるのか、ということを見えるようにしました。
それをベースに、予算達成するために、「次はこういうアクションをします」ということを毎月書かせるようにしました。

―どのような成果がでましたか?

【竹川様】営業マン自身、「誰がどのくらいやっているか」ということが曖昧だったのが、プロセスに分解することで明確になりました。目標から逆算して、目標に対するプロセスを明確にし、そのプロセスを踏むことが評価され、さらにリカバリーアクションも決めていく。そのことで、社員の数字への意識がすごく高まりました。
結果、今月、初めて目標達成する社員がでました。東京営業所が開設して2年になるのですが、開設以来の快挙なんです。

4.営業上のボトルネックは、意外にも社内連携

【菅原様】マネジメントサイドでは行動を計測し、会議ではそのKPIに基づいて改善プランを話し合ってます。感覚ではなく具体的な数字に基づいて話し合うので、営業課題が見つけやすくなっていますし、納得感が違ってきてます。報告を受けた数値からボトルネックを把握して、営業に指示しています。

ボトルネックはどういったところでしたか?

【菅原様】案件が「受注しそうだ」という後の社内調整が課題でした。
社内調整とは、お客様から内示を頂いた後の、工場との綿密なすり合わせのことです。納品時期や、お客様との値決めによって、例えば、切り身のサイズを標準では80gのものを60gにするとか、1個入れを2個入れにするとか、そのようなことを営業が工場と打ち合わせしなければいけないんです。

どういったことで滞ってしまうんですか?

【菅原様】工場側が営業からの依頼に対して対応しきれないことがあるのです。 工場側にヒアリングしてみると、営業からの依頼が急だと、工場側も対応だとできないという意見が多かったんです。そこで、「この商品が受注しそうだ」という情報を工場側と共有するよう情報を共有するようにしました。

その結果、今まで、お客様から内示を頂いていた案件でも、社内調整で1か月、場合によっては半年以上放置されていた案件が、情報の共有化により受注に結び付く結果となりました。

5.注力すべきは拡大余地の大きい「既存新規」

また、2012年は新規営業に取り組みました。今までは既存の卸売業のお客様への営業が中心でしたので、新規開拓営業の方法というものが確立されていませんでした。
そこで新規開拓営業を細かいプロセスに分解して「誰が」「いつ」「何」を行うかを明確にしたWBSを作成しました。これにより全ての営業マンが新規開拓営業に取り組むことが出来るようになり、今まで新規のお客様からの受注数:既存のお客様からの受注数の割合が2:8だったものが4:6に新規のお客様からの比率が増加しました。

ただ、新規に取り組んでいかなければいけない半面、新規のお客様の案件はスポットで入ることが多いので、売上額が小さいという課題がありました。営業マン数にも限りがあるので、売上額の少ない新規案件を増やしてもフォローしきれないという部分があったんです。

そこでお客様のランクを「取引実績」と「拡大余地」という2つの視点からランク分けしました。

そして、顧客のランクに基づいて予算を割り振りました。 最初は新規案件に取り組み、突破口を開いた後が重要です。弊社では全くの新規取引先を「新規」、新規で口座を開設し、スポットから定番化したものもを「既存新規」と捉えています。予算を割り振ることで、営業マンは「新規」に取り組みつつも、「既存新規」への深耕に取り組むことが出来るようになりました。
売上で一番伸びているのは「既存新規」の部分ですね。

6.売上高前年比153%超達成


(第7回成果発表の中で発表された
売上高前年比表)

―どのような成果がでましたか?

売上が昨年と比較すると、昨年5億930万円の売り上げに対して現時点(10月時点)で153%を超えることが確定しています。
また、阿部長マーメード食品始まって以来初めての予算達成者がでました。

7.プロセスマネジメントの良さとは

―改めてプロセスマネジメントを受講されて、良かった点を教えてください。

【菅原様】営業活動がデータ化でき、データに基づいて営業プロセスを進めれば誰でも成果が上げられることが分かりました。すぐ使えるところが良いところだと思います。
そして、計測することで、どこに問題点があり、どのようなプロセスを行った結果、成果が上がったかが見えるところが良いところだと思います。

【竹川様】「プロセスマネジメント」という考え方のベース(原理原則)なので、絶対というものではなく、業種や営業スタイルによってスライムみたいにぐにゃぐにゃと形を変えて使えるところが良いところだと思います。各々の会社にあった形に合うので、どのような会社でも当てはめた形次第で使える考え方だと思います。大きな規模の会社にしか当てはまらないものでもないし、かといって小さな規模の会社にしか当てはまらないものでもない。一つの考え方として使えるところが良いです。

―ありがとうございました。


株式会社阿部長商店 経営企画室 業務統括部部長 菅原 圭介様(写真右)
株式会社阿部長マーメイド食品 東京営業所 所長 竹川 直子様(写真中央)
プロセスマネジメント大学 営業担当 佐々 芳紀(写真左)
※プロセスマネジメント大学 マスターコース
■2012年1月仙台校受講
株式会社阿部長商店 経営企画室 業務統括部
部長 菅原 圭介様

■2013年1月東京校受講
株式会社阿部長マーメイド食品 東京営業所
所長 竹川 直子様

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